私の好きな女優さん・周冬雨の主演映画がまたまた公開です。
（2023年9月15日 中国公開）
今回はロマンス詐欺の復讐？映画『鸚鵡殺』
まるですっぴんのような気取らない自然さが魅力の周冬雨。
【鸚鵡殺】あらすじ
北京で働くエリート女子・周冉（周冬雨が演じる）はネット恋愛で、55万元（1千万円以上！）のサギに遭う。9か月後、周冉はやり取りしていた時の手がかりから、ある海岸沿いの小さな町にやってくる。そこでひょんなことから、旅行代理店を経営する許照（張宥浩が演じる）と知り合う。さらに彼の友人・林致光（章宇が演じる）が、実は9カ月前に自分を騙した張本人だと気づき…
以下、ネタバレ含むレビューです。
メガネの高青年・林致光（章宇）。
ディーン・フジオカをさらにやらわかくしたような感じ？
周冉が、自分の詐欺の相手が彼だとわかったのは、「声」。
チャットでのやり取りで、ボイスメッセージをたくさんもらっていたから。
調子よく歌まで歌っていました。
林致光と周冉が出会い、お互いに騙し騙された相手だとすぐに気がつきますが、再び恋が再加熱しそうな雰囲気… それ絶対ダメなヤツ、と思いつつ。
借金を抱えた林致光は、再び海外で荒稼ぎするために密航を予定していますが、出会ってしまった周冉にひかれて、結局旅立てず。
このままでは借金に追われて命も危なくなるのに、周冉と離れられない林致光。
でも実は、再び周冉のカネを狙っているのか？
2人をつないだのは、この小さな町で旅行代理店を経営している許照（張宥浩）。
朴訥で好青年な印象。
周冉に偶然3回出会って恋に落ち、そのタイミングで昔の友人・林致光が転がり込んできます。
周冉に「ずっと君と一緒にいたい」と告白する人のよさそうな許照。
でも、この許照の声のメッセージを聞いた周冉の友人・庞宁（ 李梦が演じる）が、
これは自分を騙した男だ！と気がつくのです。
周冉は同じようにロマンス詐欺で騙された女性たちと、グループチャットでつながり情報交換をしていたんですね。
↓許照に騙されていた庞宁（ 李梦）
このあたりのひっくり返し方は、見事でした。
許照も林致光も、実は数年前まで、東南アジアでロマンス詐欺の電話をかけるカケコだったことが回想で判明。（電話では、シンガポールにいる船乗りだと話していました）
銃で脅され、隔離された空間の中に閉じ込められた男たちが、次々と甘い言葉で女性たちに電話をかけていて…
周冉への告白の言葉も、すべてマニュアルだったとわかります。
すべてを知ったうえで、お互い離れらずひかれ合う周冉と林致光。
車の中での熱いキスシーンも。
でもラストで、それはすべては周冉の演技で、一緒に乗った列車で林致光は逮捕されます。
林致光は逃げる機会もあったのに、結局彼女にひかれて戻ってきちゃうんですよね。
周冉は、「あなたが1年前にしたのと同じことをしただけよ」と冷たく言い放ちます。
そして、「周冉の通報によって、多くの女性を騙した林致光は逮捕されました」の字幕でエンド。（あ、もう一人の許照も警察に追われ、交通事故死？するというバッドエンド）
え、そういう詐欺防止映画だったの？と一気に醒め。
今の中国だと、こうしたテーマがないと公開できないのかな。
そういえば、映画の最初も、「2016年以降、海外からの女性に恋愛感情を抱かせて騙す「杀猪盘」が増えていた」…っていうような説明字幕入ってましたね。
途中の雰囲気はよかっただけに残念。（騙した男/騙された女が再びひかれあうことある！？でもそういうこともあるかもといういい感じの雰囲気に納得しかけ…って、そういう人が騙されるんでしょうね）
この映画、実際に起きた多くの「杀猪盘」をベースとした作品、とのこと。
※「杀猪盘」＝ロマンス詐欺
インターネット上の交流サイトなどで知り合った海外の相手を言葉巧みに騙して、恋人や結婚相手になったかのように振る舞い、金銭を送金させる特殊詐欺の一種（ウィキより）
映画のポスターを見ると、「あなたは熱愛中、でも彼は詐欺中」というコピー。
これってそそられないというか、あんまりだなあと…
最近、中国ではこうした詐欺犯罪の映画が増えてますよね。
どれも詐欺防止宣伝映画と言われることもあり…。
海外詐欺テーマの『孤注一擲』は興行収入37億元超えのヒットです。
なんとなく触手がのびませんが。
そういえば大ヒットの『消失的她』も詐欺復讐映画でしたよね。
必ず騙したほうは成敗されるという…
最近そんなのばっかりだなあ。ヒットするから？
映画情報：
映画『鸚鵡殺』Dancing Green
監督：麻赢心
主演：周冬雨、章宇、張宥浩、蔡祥宇
中国公開：2023年9月15日 興行収入・公開初日1000万元突破
作品の長さ：100分
近所の映画館はほぼ空席…
この後、前に男性2人組が来ましたが、どんな気持ちで見てるのかなあと。
途中、3人でいい雰囲気になるんです。
こういうの周冬雨によく合いますね。
そういえば、この前見た『燃冬』もこういう3人のシーンあったなあ。
